体外受精の成功率を左右する「培養士の腕」問題

体外受精は胚培養士の腕次第

 

前回、不妊治療の流れの中でどの局面が重要なのかを書きました。

 

不妊治療の流れの中で、採卵よりずっと大事な部分って??

2018.06.14

 

その中で、知れば知るほど超重大だということがわかった、「胚培養士の腕」について、掘り下げて書きたいと思います。

 

 

 

普段は直接 患者と接することもなく、ラボという無菌状態の閉ざされた空間の中にいる胚培養士さん。でも、はっきり言って医師と同じかそれ以上に、体外受精の結果を左右するのです。

 

 

 

受精卵がどれだけできるかは培養士の腕次第

 

だって、

●どの精子を使うかを選ぶ
●卵子に精子を注入する
●できた受精卵を培養する
●受精卵の凍結や解凍をする

という、超重大な部分を担っているんですよ。

 

これは「誰がやっても同じ」ことではない。

 

胚培養士の技術によって受精卵の育ち方に違いが出てくると言われています。

卵子のどこに精子を注入させるのか、まずその場所選びが、受精卵が育つかどうかを左右します。

また卵子をできるだけ傷つけないために、どのガラス管を使うのか、精子を卵子にどのくらいの角度やスピードで注入するかも重要です。

NHKサイトより引用

 

良い受精卵がどれだけできるかは培養士の腕次第の面があり、病院の妊娠成功率を左右する。年収300万円ほどの培養士がいる一方、病院間でヘッドハンティングされるトップクラスは年収が2000万円にもなる。

NIKKEI STYLE より引用

 

 

これだけデリケートなものを扱う仕事。
技術力の差は、すさまじいものがありそうです。

 

 

 

数年前、不妊治療の掲示板で、こんな投稿がありました。

 

 

胚培養士の腕

みのり(パート / 38歳)

同じ病院内でも、担当する胚培養士さんの腕(経験)によって
受精率やその後の胚の成長にムラがあったりするのでしょうか?

(中略)

たまたま、腕の良い(という評判のある)培養士さんが
学会・フォーラム等で不在だった可能性がある日でした。
しかし、誰が実際に担当されたかはわかりません。

培養士さんを指定するとか、そこまでの気持ちはありません。
ただ、たまたまベテランに当たるか新米に当たるかで
結果が大きく違ったら・・・、と思うと、気になってしまいます。

ジネコ より

 

私はこの質問、すごく理解できました。

気になってしまうのは、至極まっとうな感覚だと思います。

 

すると、同じ妊活中の女性たちから、こんな回答が返ってきていました。

 

辛口(主婦 / 34歳 )

どんなに腕の良い培養士でも、高齢者の老化した卵子では限界があるのでは?

人のせいにばかりしてないで、ご自分の年齢受け止めてください。培養士さんが不憫。

ジネコ より

 

現実逃避(主婦 / 秘密 )

というか、失礼ですが、結果が悪いからって培養士さんのせいにされてるのに驚きです。
私も体外経験者で、そこまで悪い結果ではなかったですが、もうちょっと運動したらとか、自分の体が悪いからとしか思いませんでした。

他人のせいにするのは簡単ですよ。移植の際はしっかり現実を見て治療なさるようお勧めします。

ジネコ より

 

 

なんだか、これを見て悲しくなってしまいました。

 

「人のせいにするな」「自分の年齢考えろ」のような言い方って・・・・。

質問者さんだって努力はしているだろうし、技術に差はあるのかしらと気になって書いたにすぎないのに、一体なんて、優しさがないんだろうと。

 

 

それに実際のところ、おおいに関係あると思うのです。

 

 

 

こんな話もあります。

 

「受精卵が育たなくても患者のせいにできてしまう」

 

「受精卵を紛失した」「培養液を入れ忘れ受精卵が死んでしまった」

そんなミスも聞いたことがあり、それを患者側に知らされていないケースも聞きました。

壁の向こう側が、当事者から見えないことがまだ多いのです。

(中略)

この記事を書くきっかけは、医療関係者との話の中で「受精卵が育たなくても、患者のせいにできてしまう」という言葉を聞いたからです。

NHKサイトより引用

 

「患者のせいにできてしまう」・・・。

確かに、そういうことも無くはないだろうな、と思いました。

 

だって、「分割が途中でストップしてしまいました」と言われても、確実に「卵の生命力がなかった」という暗黙の了解で片付いてしまいます。

 

私も受精結果のレポートを聞く時、何度となく

「受精したけど死滅しました」
「途中で分割が止まりました」

と言われました。

 

疑ったって仕方ありませんが、あくまで人間がやっていることであり、技術にも差があるのだということを知っておいても良いと思うのです。

 

 

じゃあ、私たちに何ができるというのか?

 

 

実はこれほど重要な作業を行う胚培養士だというのに、国家資格が無いそうなのです。

それはたびたび問題になっていて、それが技術力の差につながっています。

 

 

そうするとやっぱり、そのクリニックの症例数と治療成績で見るしかないと思います。

 

国内には約600の不妊治療施設があるが、約6割は年間の体外受精が100例以下と小規模だという。

「先輩がおらず、培養士の技術の蓄積ができていない医療機関も多い」

NIKKEI STYLE より引用

 

 

それから、ホームページや書籍で胚培養士の重要性について語っている医師や医院を選ぶ。

 

 

そして、ダメ元になりますが、

医師や看護師やカウンセラーの方に、

「このクリニックで最も技術力の高い、ベテランの培養士さんはどなたですか?その方にお願いしたいのです」

と頼んでみる。

医師によっては、指定してくれる可能性もあります。

 

 

小さな事しかできませんが、ほんの少しでも可能性を高めるために。

そうしてみる価値はあるのではないでしょうか。

 

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